世間では、介護は『3K』と言われる事があります。
きつい・汚い・危険というやつですね。
確かに当てはまる部分もあるかと思いますが、介護職の良いところは意外と多くあります。
ここでは、実際に介護職として働いた経験から、介護職のメリットを探ってみます。
厚生労働省の調査によれば、2022年の施設介護職員の有効求人倍率は3.79倍とのデータが示されました。
求職者1人に対して3.79件の求人があるということです。
訪問介護員(ホームヘルパー)に至っては、15.53倍に上っています。
この数値は全国平均値なので、地域によって当然ばらつきはあります。
都市部では有効求人倍率がより高く、地方では有効求人倍率がより低い傾向があります。
それでも、介護職の有効求人倍率は低くても2倍程度となっています。
求職者1人に対してだいたい2件の求人はあるということになります。
少子高齢化が進んでいる現状から、介護業界はこの先も売り手市場であり続ける見通しです。
就職先が多ければ、多くの求人条件(給与・時間・勤務地等)の中から、希望の条件を見つけられる可能性が高くなります。
また、就職先が自分に合わない場合にも、再就職先が数多く用意されているとも言えます。
実際に私も複数の介護施設に転職していますし、知り合いにも介護畑を渡り歩いている方が多いです。
介護職に限ったことではないですが、就職においては実際に働いてみないと分からない事が多くあると思います。
等々
もちろん仕事ですから、多少の苦労や嫌な事もあるでしょうし、その度に転職してしまうのは現実的とは言えません。
しかし転職先が多ければ、現在の職場の他に選択肢がなく無理して働き続けたことにより心身を壊したり、さらには追い込まれて悲しい選択をしてしまう・・・といった事態は避けられる可能性が高くなるのではないでしょうか。
介護職員には、それぞれ役割や業務内容が決められています。
業務量の多い少ないは職場によって違いますが、基本的には業務時間内に終わる業務量となっていることがほとんどです。
もちろん新人の頃は覚えるなければならない事も多く、段取り良く業務をこなせずに残業が発生する事もあるでしょう。
また重大な事故が起きたり、他の職員が急に休みになってしまった等のイレギュラーな事態により残業しなければならない事もあるかもしれません。
残業が全くないと言い切ることはできませんが、基本的に定時で退勤できることが多いです。
プライベートの時間を大切にしたい方にとって、残業が無いのは大きなメリットと言えそうです。
一般の介護職員には、基本的には営業ノルマや販売ノルマ等の厳しいノルマはありません。
介護職員の仕事は利用者の日常生活を支援することなので、当然と言えば当然です。
もちろん、各職員には役割と業務が決められていて、それらをこなす必要はありますが、ノルマのために心を病んでしまったり上司から圧力を受けるといったことは介護職員には少ないでしょう。
一般の介護現場では、成績等をめぐって誰かと競う等の状況はありません。
キャリアアップを目指す方にとっては同僚等はある意味競争相手かもしれませんが、売り上げや人事査定等をめぐって熾烈な争いを繰り広げる・・・といった状況にはならないでしょう。
「競争に疲れた」「競争社会に価値を見出せない」といった方にとっても、介護職は選択肢の一つになりそうです。
介護職としての就職先は介護の現場になります。
一口に介護の現場といっても様々な介護サービスがありますので、まずは代表的な介護サービスを簡単にご紹介します。
利用者の自宅に伺い、食事や排泄介助等の介護サービスを提供します。
利用者の自宅に浴槽を持参して伺い、入浴サービスを提供します。
利用者が施設に通い、食事や入浴・機能訓練などの介護サービスを日中に受けられる介護施設です。
利用者が施設に通い、介護サービスやリハビリ、医療的ケアを日中に受けられる介護施設です。
常時介護を必要とし、在宅での生活が困難な高齢者が入所している介護施設です。
介護を必要とする高齢者に対して介護サービスやリハビリなどを提供し、自宅復帰への支援を行う介護施設です。
認知症の高齢者が日常生活において必要な援助を受けながら少人数で共同生活を営む介護施設です。
訪問系や通所系のサービスは、基本的に日中のみの業務となります。
入所系の施設では、高齢者が入所(入居)して生活していますから24時間稼働している必要があり、夜勤業務があります。
ですが、入所系でも日中のみのパート職員を募集している施設が多くみられます。
また入所系では、夜勤専門での職員を募集している施設もあります。
他にも、「日中短時間のみ」や、「週2〜3日程度」といった要望にも柔軟な対応が可能な施設もあります。
正社員希望の場合でも、他の職種に比べて正社員登用への道が開けていると言えます。
背景には、介護業界は人材が不足しているため、年齢や経験問わずに正社員待遇を用意して人材を確保したいといった思惑が見られます。
以上のように、介護業界では自分のライフスタイルや希望する収入等に合わせて様々な働き方ができます。
介護業界においては、まだまだ優秀な人材が少ないのが現状です。
給与水準や介護へのイメージ等から人材が集まらないのはある程度仕方がないのかもしれません。
しかし逆に考えれば、キャリアアップを目指したい方にとってはライバルが少ないとも言えます。
実際、私も30代後半で介護業界に入り、ある施設の施設長も経験しました。
就職前に資格こそ取ったものの、全くの未経験から数年で施設長になることができました。
もちろん自分が優秀だと言いたいわけではなく、介護業界でのキャリアアップの一例としての話です。
介護業界では、やる気さえあれば上を目指せる道が開けています。
さらに、業界で経験を積んだ後には、起業という選択肢もあるかと思います。
利用者である高齢者は人生の先輩です。
私たちの知らないことを多く知っていたり、想像もつかないような経験をしている方もいます。
そのような方と接したり、お話をする中で気付かされることや学ぶことは多くあるかと思います。
また、介護職は様々な利用者と関わり、様々なシーンに遭遇します。
その中で、どのような状況でも冷静に対応できる精神力が培われていくことと思います。
介護職は”人間力の高まる仕事”だと言えるのではないでしょうか。
介護の仕事は、利用者を直接的に援助しているので、利用者から「ありがとう」の言葉や笑顔をもらうことが多いです。
そのような時に、人の役に立っている事が実感できる方も多いでしょう。
また、自分の声かけや介助により利用者がやる気になったり、元気になったりすれば、それが介護者の喜びになる事もあります。
以上が私が感じた介護職のメリットになります。
介護職にも多くのメリットがあると言えるのではないでしょうか。
介護業界には自分の生き方や考え方に合った選択肢が広がっているかもしれません。
当サイトが介護業界に踏み出そうとしている方の第一歩になりましたら幸いです。